ちょこっと葛根湯やお薬のお話

皆さん、葛根湯って知ってますよね?
最近は、何でもかんでも漢方薬とか言い出してちょっといろいろ思ったりするところです。

やくぜん なつめ くこまつのみなどの写真

さて、今日は 阪神漢方クリニックさんの薬膳講習にお邪魔していろいろとお話を伺いました。
今日は、棗とクコの実のお茶を頂いたりしました。

で、風邪のお話になりまして のどなど痛みのある風邪と寒気のする風邪の状態の違いなどから考えます。

まず、鍼灸でもそうですが 東洋医学という概念の中では 寒熱の概念があります。

一応、登録販売者の資格を持っているので市販のパッケージものなどのお話はある程度できますが薬剤師ではないので葛根湯の詳しい成分などのお話は抜きで勧めますが、漢方薬はなんでも飲めばいいというものではなく その方のお体の状態や現状の体質、もともとお持ちの体質などを把握しないと 同じ症状でも処方が違うので効果が得られないという事をまず知っておいて欲しいなと思います。

ですが、とりあえず自分でドラッグストアで選んだりするときにどういう時に葛根湯を飲んだらいいのかという事でお話を伺いました。

一つの基準として、葛根湯は寒気がするなどの寒が入っている状態に有効だという事でした。

ですので、のどが痛くて荒れていて熱っぽい・・・というような時ではなく 寒くてぞくぞくしたり、体温がうまく上がらない 震えがあるなどの状態の時に選択すると体に合う事が多いという事です。

葛根湯は、「解表(げひょう)」という作用があります。
体の浅いところに入ってしまった邪(じゃ)を汗をかくことで追い出して体を回復に向かわせるという形です。

基本的に、震えがくる風邪は熱が高くでる傾向の強いものだと考えてもよいそうですが 考え方として、まだ体の中に入ったばかりで悪さをする前の状態の時に葛根湯を飲むことで汗を出して邪を追い出して回復するという風に考えると少しわかるのかなとおもいます。

ですので、市販薬のパッケージにも書いてあると思いますが 例えば有名どころではツムラさんですが「さむけがあるかぜのひきはじめ」などという記載があります。同じく「首の後ろから背中にかけてこっているときに」とあって これは邪が体に入る直前・直後あたりにあたるのかなと考えられますね。

ですので、熱が上がってから葛根湯を飲んだとしても ちょっと遅いんでないかい?という事になるわけです。

今日、お聞きしたところ 今日はなんだかすごく体が冷えるなとか急に鼻がズルズルするなんて言う時に使う事と合う事もありますよというお話でした。

あと、葛根湯は上に書いたように 体の冷えを解消していく薬ですので 冷やして飲むのではなく瓶ごとお湯で温めることができるように瓶にはいっているんですよ~という事です。
せめて常温。できれば軽く温めて。
桂皮が入っているのでシナモンの香りが苦手な人は常温の方がいいかな~。

花粉症などの鼻ズルズルはまた違う事なので、医師・薬剤師・登録販売者に尋ねてください。

漢方薬は副作用がないなどと言いますが 食物アレルギーのある方は注意しなければいけない事もありますし(経験済み) 先に書いたように体質や状態にあったものを飲まないと逆効果である場合もあります。

また、複数の漢方薬や健康茶などを混在したり、食べ物に含まれる成分とのかね合わせでの副作用もあったりしますので やっぱりきっちりお薬です。
健康茶には生薬で使われているものもあったりしますし 甘草などは食べ物にも含まれていたりしますので知らないうちにうっかり取りすぎになる事もあったりするので要注意なのです。

ドラッグストアにいたときに 「大人用ジキニンを飲むんじゃなくて子供用ジキニンを2本1パック飲んだ方がよく効く」などと水商売の人が言っていたというお話をうのみにしてかっていかれる方などがおられましたが 子供用だからと言って作用が優しいというわけではなく、じゃあ大人だから倍のめばいいよね!!という風に使ったりすると 成分の規定量を超えてしまい、重篤な副作用が起こる可能性が考えられますのでやめてください。

また、同じように「大人用の頭痛薬を半分にしたら子供用だよね!」というのも間違いです。

子供は、体がしっかりとできていない為に 大人の飲む薬の成分が脳の入ってしまってはいけないところに入ってしまったり、肝臓で成分を有効な形にしたり、逆に解毒できない事もあったりしますので お子さんが本当に大切なら まずは医師(特に小児科医など)に処方してもらう事です。

他として、葛根湯を含め麻黄(マオウ)という成分が含まれている風邪薬や漢方薬がありますが 麻黄は中毒性がありますので大量に服用してはいけません。

他にも、一部の総合感冒薬や便秘改善薬で中毒性のような状態になっておられる方もおられましたので市販薬でもぜったいに用法・容量は守り しっかりと用法にある時間の間隔を開けて服用するなどの規定を守ってください。(6時間程度が多いと思います)

服用は水・または白湯で。牛乳や果汁飲料など 他の成分との兼ね合いで薬の作用が変わってしまうものもありますし アルコールでの服用は体に負担となり作用が大きく出てしまって副作用になる事もあるので絶対にしない事。

身近にあるから、すぐに手に入るから「たかが薬」ではありません。
薬は、毒にもなる可能性を秘めている事を忘れないでください。

ドラッグストアで売っているセルフメディケーションの為の一般薬というのは、医師の処方するものよりも比較的穏やかな効き目であったり 過去の使用データーが長期間あって副作用が少ないデーターがあったりするので売られているものが多いですが 特に風邪薬などはいろんなタイプに合わせるために その時の体に不必要なものが含まれている事も多々あります。

それが弱っている体に悪さをすることも多いので できるだけ少ない数の成分を適切に飲むことが大事で お子さんの場合は余計にそういう事に気を付ける必要があります。

ですので、15歳未満の方が飲めない市販薬はたくさんありますし 15歳未満の方の選択肢としてお薬を飲まなければいけないような状態になったときは まず受診するという風に考えた方が安全なのかなと思います。

ですが、風邪の場合は体の中に薬を入れる前に 邪の入らない体を作ると考える方がいいかなと思います。
できるだけ、体に薬などの非日常的な作用をしなければならないような状態にしないのが大事。

きちんとした食事、適度な運動と鍼灸・マッサージをうまく利用する事で 体の中に余分な成分を入れずにトラブルなく過ごすことができると考えて頂きたいなと思います。

体の中に入れたものは取り出すことはできません。
その怖さは、経験上とてもよく知っています。

体の中にいれない。そして、浅いうち 軽いうちに追い出してしまえる体を作る。

その為の一つの手段としてお手伝いができるとうれしいです。