施術検証1ーうがい・咽頭反射・嚥下反射等へのアプローチ

先日、ある方にご協力頂き 施術検証を行いました。
施術実験は、ご協力頂ける被験者が必要になるので
なかなか頻繁に行うことが難しいです。

高齢男性ですが、以前から 睡眠時無呼吸症候群様の症状がみられ
たびたび一定期間、原因不明の咳が続くことが多く
最近、食事中にむせる事が多くなりました。
以前から、うがいをスムーズに行うことができませんでした。

今回は、通常 おだやか堂トンボ庵 で行っている全身への施術は行わず
頸部への力をいれない20分程度のマッサージ施術で
状態の改善がされるかの実験をしてみました。


うがい 術前 1

うがい 術前2


 

うがい術後

 


 

雑音があることもあり 少しわかりにくいかもしれません。
術前のうがいは、実験という事でご本人が普段よりも頑張ってうがいをされていますが
それでも連続時せずに止まったり、吐き出すときに苦しいために
口腔内で水を受けることができず強制的に水が落ちているような音がします。

反面、術後は まず無理に声帯を閉めていないので うがいの音のトーンが低くなっています。
また、息つきをせずに時間を長く続けられている点や吐き出すときに一度 口腔内で受けてから
吐き出すだけの余裕があることが聞き取れます。

これにより、頸部の状態が体幹や神経に及ぼす影響があることがわかります。

ただ、頸部への施術は、延髄、気管、椎骨動脈などの重要な部分がある事や
血圧への影響がある事など 施術次第では危険や悪影響を伴うことがある為
非常に繊細かつ緻密な施術が求められる所ですので
誰でもかれでもが むやみに施術を行えばよい結果がでるわけではありません。
問診での全体把握、構造、固着、硬結、角度、柔軟性など
あらゆる状態を 様々な方向性から
しっかりと四診しながら行うことが 最低限必要になると考えられます。

専門性の高い適切な施術を行うことによって、咳嗽反射、嚥下反射、咽頭反射ほか
気管への空気の流通をスムーズに行う補助として
あんまマッサージ指圧師の専門施術は有効であるのではないかと考えています。
呼吸の状態が改善されることは 日々、各器官への酸素還流を良好にする事も考えられ
体循環の改善により健康によい影響を与えると思われます。

今回は、一度きりの実験ですが、繰り返し状態を見ながら施術することによって
誤嚥や呼吸補助、睡眠時無呼吸症候群などへの補助も可能ではないのか
機会を見ながら さらに研究してみるつもりです。

※ 気管・食道や誤嚥等の事に関しては 「日本気管食道科学会」というサイトが
  内視鏡画像や造影画像なども掲載していて為になるかと思います。
  「気管・食道科に関連する疾患・症状」というところを閲覧すると
  一般の方への様々な情報がのっていますよ(^^)