2月10日のクローズアップ現代で放送された
「“肩こり解消”で思わぬ被害!?~癒やしブームの陰で何が~」
ご覧になられた方も多いかと思います。
リアルタイムで見ることができませんでしたので少し時間がたってしまいましたが
いくつか番組の構成などの問題点についてお話したいと思います。
これはおそらく全国のあんまマッサージ指圧師が感じたであろう事です。
1 「マッサージをできるの は国家資格であるあんまマッサージ指圧師」
と冒頭で放送しながらあんまマッサージ指圧師の話がまったくない。
あんまマッサージ指圧師団体、業界の話が一切でてこない。
2 コメンテーターの先生は、あんまマッサージ指圧師の資格をお持ちではないようです。
本来、あんまマッサージ指圧師免許をもっていて
なおかつ厚生労働省認可専門学校教員など
実際の教育現場で活動しているものが 出演すべきではないかと思います。
3 放送現場のリラクゼーションの研修でしていることを
現場で第三者に施術すれば 明らかな指圧行為であはき法違反です。
(厚生労働省がリラクゼーションで禁止と勧告している体に圧を掛ける行為)
教えているだけ習っているだけは誰でもできます。
4 厚生労働省認可あんまマッサージ指圧師専門学校の様子ではなく
リラクゼーションの研修がさも専門的に行われてよいような放送がされている。
(どんな研修をどんな民間機関受けようと あんまマッサージ指圧師国家資格は所持できません。
ただ学べばよい訳ではなく 400万以上という大金と3年間という貴重な時間を使ってでも
法律で定義されている「必ず必要な手続き」と学業をおさめ
国が最低限の知識として規定している試験を通り、
厚生労働省に登録されているという
煩雑で時間がかかることを行っているという事が
自分の行う内容を大切に考えているという態度の一つです。)
5 あんまマッサージ指圧師全てが慰安のみを行っているわけではなく
きちんと問診をし、受診勧告(又は医療機関への紹介)を行っている院もある。
(おだやか堂トンボ庵 はそうしています。)
6 肩こり、腰痛自体が健康が損なわれかけている状態である事の説明がなされていない。
これに対するアプローチ(保健)ができるのは医師とあんまマッサージ指圧師だけです。
※保健とは、健康を保つという意味です。
7 国家資格者が入っている施術者損害保険の話がされていない。
8 健康被害で出てきた双方は、リラクゼーションと整骨院との話があったが
リラクゼーションは無資格者、鍼灸免許、柔道整復師免許を持っていたとしても
「日本では、あんまマッサージ指圧師を持っていなければ無資格者」です。
9 あんまマッサージ指圧師が国家資格だという事を知らない医師がいます。
あんまマッサージ指圧師の認知度・認識度についての調査はありません。
(あんまマッサージ指圧師を雇うと費用がかかるなどの事から
(実際はたいした金額ではありませんが・・・)
無資格者を意図して雇っているところも沢山あります。)
10 厚生労働省の取り締まりについて あはき法の話が一切ない。
(どうして柔整の超音波の話になっていくのでしょうか?)
上記のような数々の違和感が満載でした。
これまでも、あはき法についてはいろいろとお話していますが
国家資格としておきながら非常にないがしろにされています。
大きなニュースになったものとしては 「ずんずん運動」という運動で
幼いお子さんの命を奪ったニュースはご存知かと思います。
あの裁判でも、本来ならあはき法違反が真っ先にでなればならないはずなのに
まったく話にもでてきません。
あの事件は、「明らかに重篤な危険行為」をおかしたものですから
無免許者が行っているので あはき法違反のはずです。
しかし、世の中に不思議なほど あはき法は出てこないのです。
従来、あんまマッサージ指圧師は視覚障害の方の免許所持者が多かったことや
これまでの歴史の影に隠れてきたことなどから表に出にくかったのでしょうが
立派な専門職であり、国家資格なのです。
それなのに、あんまマッサージ指圧師のきちんとしたお話がでてこないのはなぜでしょうか?
私は加盟していませんが、大きなマッサージの団体も全国に数多くあります。
あんまマッサージ指圧師免許所持者は厚生労働省に登録されていますし
全国の保険所を当たれば あんまマッサージ指圧師免許所持者がしている施術所も
すぐに探せます。
一体なんの目的があって番組を構成し、放送したのでしょうか?
当然、常々お話しているように 国家資格所持者であっても事故は起こります。
(起こってはならないものではありますが、何事にも100パーセントはありません。)
特に、実際に体に何らかの処置を行う行為は特に危険性は高まります。
それは、医師含め 他のどのような医療資格であっても同じです。
人間の体に何らかの事を行うわけです。
正直な話、鍼灸・マッサージを保健目的や予防として利用される方よりも
「西洋医学でいけるところがないから東洋医学にかかってみよう」という方が
沢山おられるのも事実です。
一回の施術で痛みや違和感が解消・軽減されてしまった場合、
原因を改善するまで通っていただける事が少ないのも事実です。
アプローチを続けられなかった結果、大きな故障を招くこともあるでしょう。
中には、完治が難しいような疾患や、機能・構造的に回復できないような方もおられます。
そういう状態に対してのアプローチを望まれてこられる方もおられるので
非常に多くの微妙な問題を含みますし、それでもして欲しいという方がおられます。
おだやか堂トンボ庵 では、時間を掛けてしっかりと問診しますが
それでも ふとしたお話の中で医療関係の知識があるものだけが気になるお話が
出ることもしょっちゅうです。
普通の方には気にならないような事でも受診勧告が必要な方が沢山おられます。
これらをどれだけ拾えるかは 医師であっても施術者であっても一般の方であっても
知識、判断、思考回路、関係性など多くの事があってできることです。
正直、複数の科の医師にかかっていても連携がない為
薬がむちゃくちゃで健康被害が出ていると考えられる方も来られます。
そのときには、お越しの方に 本当にそのお薬が必要なのかや
そのお薬を飲んでいることを他の科の先生はご存知なのか、
きちんと薬剤師さんに相談されているかなど
上手なお話のされ方や伝え方、伝える方の選び方などのお話もさせていただいています。
おだやか堂トンボ庵 では、一つずつ丁寧に、かかっていただきたい診療科のジャンルや
こちらからのご紹介を望まれる方の場合については 少し遠方になりますが
私が実際に診察現場を拝見、もしくは診療を受けた事のある
さまざまな専門分野の先生へのご紹介もさせていただいています。
例えば メガネを作る一つにしても腕の良い技師がいる所の紹介もしています。
ただ単に知っているというだけではなく 自分が体験し、お話し、
自分で選んだ方をご紹介しています。
こういうことは、学校でならっているからできることでもなく、
術者などであっても、普段の生活で何も不備がない方や
習うだけで自分で考える必要性を感じない方や考えることのない方など
いわゆる 個人の資質が焦点になってきます。
例えば病院などで複雑な問診をするところが少なくなる事で
「少しの話で全てがわかっているんだ」と思われている方が多くなってしまっている事も
一つの問題であるかと思います。
しかし、経験のある方 多くの状態に対応されてきた方は
いろんな場面から何かを拾うことをされているかと思います。
それをする事ができる為には いろいろな知識が必要です。
それらを応用して結び付けていける応用力の問題です。
これらを総合判断して、来られた方にはどのような施術が可能なのかを考え
受けられる方とお話しながら進めていくのが
おだやか堂トンボ庵 では一番大切だと思っています。
肩こり、腰痛は体の異常の訴えの一つです。
一時的な解消を求めるのではなく
しっかりと原因を把握し、状態の改善を目指しましょう。
どんなに気をつけていても
お体の状態は人によって皆さん違います。
私自身、事故を一切起こさないとは言えません。
でも、自分がされて嫌なことは絶対にしたくないと思っています。
いろいろたらい回しにされてきましたしね。
その為に、一生懸命 自分で実験をしたり、
知識と技術をつける為の勉強を欠かさないことを
さらにしっかりと肝に銘じておきたいと思います。
放送で評価できる事があったのは、
「あんまマッサージ指圧師」という国家資格があること、
「きちんとした施術所が広告制限があるという事」が伝えられたことです。
正直、国家資格所持者であってもどんな方かはわかりません。
私自身のことですら みなさんにどうお伝えできるのかもわかりません。
広告制限もあり、いろいろと考えるところもありながら
アポイント頂いた方には親身にお答えして活動しているのが現状です。
そんな地味な立場の「あんまマッサージ指圧師」ですが
私達は、「あんまマッサージ指圧師」という資格に誇りを持っています。
誇りを持たずお金の為に施術している人も中にはいますが
違う人が沢山いることも知っていただければと思います。
これからもっと、この資格が世の中に信頼をもって広がりますよう
微力ながら努力、尽力して参ります。
もしご興味があれば 下のリンクもどうぞ(^^)
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