乳がんや乳房、下着についてのお話(男性も必見!)

ここ数日、有名人の方の療養で大きく取り上げられている「癌」。
癌については、さまざまな事が言われています。

個人的な経験としていろいろお付き合いがありますので
乳がんや他の癌について 少し私なりのお話をしましょうね。
ただし、私は医師ではありませんので 個人的な知識と見解です。

まず・・・「乳がん」。

一般的に 乳房にできる腫瘍には、他の腫瘍と同じように悪性と良性があります。

悪性で有名なのがに「乳がん」が、良性で有名なものに「「乳腺繊維腫」があります。

ざっくりいうと 、乳房の中にあり「血液の栄養素を取り出して母乳をつくることができる」機能をもつ器官である乳腺が組織変化してあらわれると認識されているかと思います。
(※ 乳腺とは、乳官、乳腺葉、乳官洞などをまとめていわれている言葉のようです。)

構造的には、乳頭を中心に乳腺が脂肪組織のなかに木の根のように広がっています。
傘の骨みたいに乳頭をてっぺんに脂肪の中に広がっています。
みなさん勘違いなされていますが 男性にも乳腺はあります。
ですので、男性でも 乳がんの可能性はあります。人事だと思わないですよ。

男性の場合は、女性ホルモンが少ないことから乳腺の発達は大きくありませんが
肝臓の機能低下や不摂生によって 「女性化乳房」という変化があったりする事もありますし
発達していなくても乳がんになることはあるようです。
※ 女性化乳房というのは 乳房が女性のように膨らみます。大きくなくても丸みを帯びてきます。
  肥満と勘違いして放置するのは良くありませんので しっかりと血液検査などを受けてくださいね。

男性の場合、テストステロンはエストロゲンに変化しますので
テストステロンの分泌量と消化の加減により影響があることがあるようです。

男性でも 乳頭や乳房付近、側胸部にしこりがあったり 陥没などの普段と違う変化があった場合は、
きちんと乳腺外来や総合診療科などに早めに受診されるほうがいいかと思います。
男性の場合は、乳頭付近に多く 普段気にしていないこともあって進行具合が大きく
予後不良になることもありますので 気にしてくださいね。

乳腺の発達は、女性ホルモンと大きな関係性があり 特に女性の思春期に大きく発達します。
思春期に女性ホルモンが働くことにより、女性は体が丸くなり性的に成熟していきます。
女性ホルモンは、脂肪細胞や血糖値(インシュリンの分泌)との関連性があり
このことで 女性の乳房の大小の大きなファクターである脂肪のつきかたの変動があります。

女性の方は こんな経験がありませんか?
「思春期の胸が大きくなるときに胸が痛かった。」、「若いころ生理が近づくと胸が痛かった」
「生理の時期は胸がはる」など。
このように、女性ホルモンに大きな影響があるときに 乳腺の活動が活発になるわけですね。

乳がんのリスクファクターに 「肉食・アスリート・飲酒・ホルモン・遺伝」があげられる事が多いです。
最近では、女性の大量飲酒が大きなリスクになるとの論文が発表されたようです。
長年、個人的にさまざまな方面から 人体のいろいろをみているのですが
身体不調の要因の大きな一つとして「下着」の影響も大きくあると思っています。
構造や他 多くの事を調べていますので そのあたりのお話も含みます。
(※ 医学的な見地からのまじめな研究ですので 軽々しいセクハラではありません。)

思春期になり 乳房が発達すると 女性のみなさんの多くは
「なんとなく」、「胸がゆれるから」、「乳輪がすけるから」、「みんながつけるから」という理由で
深く考えずにブラジャーを購入されているかもしれません。
つけ方もきちんと教えてもらう機会もなく、ひどい方は背中に手が届かないからと
ホックをとめてから着用したりするかたもおられるようです。
これでは、きちんとした位置や組織の固定を良い場所にすることはできません。
この、良い位置というのは 背の高さ、筋肉の配置、環境、各体組織の量、強さなどから
お体の維持に最も適切であると考えられる場所を意味します。

ブラジャーの着用目的で一番大切な事は、
「乳房に過度の重力や外力がかかり 乳腺に損傷が起きない事」が
最も大切で 乳房組織の保護(プロテクト)の為のものであると 私は思っています。
乳腺の損傷は修復のされ方次第で、後の組織変化を招く原因となったり
お乳を作るときの機能変化を招く可能性が考えられます。
多くの女性が持たれている身体的機能の一つである生殖を支える大事な器官です。
(※ 表現が非常に難しいのですが、個人的に性を含む身体の事柄は個人が持っている能力の一つと捕らえています。身体的なご事情で生殖が可能でない方もおられますので お気に障られる方がおられましたら お詫び申し上げます。)

ブラジャー製造メーカーは沢山あり、それぞれに立体裁断など多くの技術や工夫が入っています。
大手メーカーは、3DCTなどを使用し 大変な数の全身データーを持っているようです。

マッサージにこられる方に 非常に多くおられ、僭越ながらお体の為に指摘させていただいていますが
ご自分のお体にあった下着をつけられている方がとても少なく感じます。
肩こりや腰痛、冷えがある方は、ぜひとも下着を見直していただきたいと思っています。

それはさておき、ブラジャーが体をどう保護するのかですが
「縦ゆれ」、「横揺れ」、「斜めゆれ」、「回転」、「ひねり」、「前後ゆれ」、「衝撃」、「抗重力」が主かと思います。
乳房には、乳房支帯(クーパー靭帯)という組織があり 体本体と乳腺、脂肪組織、皮膚などをつないで乳房の形を維持しています。
何らかの要因によって クーパー靭帯が切れてしまって乳房のまんべんない維持ができなくなってしまったり
衝撃により乳腺にダメージがあるケースなどが考えられるかと思います。
アスリートの場合は、衝撃を受けたり力が胸部に分散するケースは多く、ダメージが大きくなります。
何か、ものが強く当たったりすると非常に痛いことがあるかと思いますが 脂肪細胞自体が衝撃を吸収するクッションとなっている部分もあります。
ただ、あまりにも組織量が多くなると、乳房は体本体に強力に固定されているわけではないので
「抗重力」のバランスがとれず支持組織のゆとりが大きくなったり組織の損傷で動きが大きくなります。
また、個人的にいろいろな実験や観察をしていますが、皮筋(表情筋とも言われます)が
胸の支えや形に作用することもはっきりしています。

ところが、多くの方は 着用に性能よりも値段や見た目を求めることが多く 過度に締め付けて
血液循環を阻害したり、固めてしまって組織の柔軟性をなくしてしまったりと負担を強いています。
(※これは、胸部コルセットや胸部サポーターなどをしなければいけない場合も関係してきます。
      機能的に伸縮素材の強さや巻く方向などにより 多くの弊害が出現します。)

例えば、値段やもったいないを重視するあまり 体型が変わってしまったのにサイドベルトがぎちぎちの
カップの小さいものを着用していることがあります。
値段は、素材の材質や使用量、縫製、型紙の値段などにかかわりがあります。

サイドベルトのきついものを着用していると 胸全体の血流や、神経の信号、動きの阻害を起こします。
肋骨の緊張によって呼吸が制限され、腹部の筋肉の弛緩を招きます。(信号が胸椎からきています。)
脇の筋肉の血流が途絶えたり、胸部の圧迫によって胸への血流やリンパの流れの阻害も考えられます。
また、長期に無理に固めることにより 肋間筋の柔軟性がなくなったり 肺動脈や心臓を圧迫することもあります。(緊張が血圧に影響を及ぼすことも考えられます。)
ワイヤーできつく持ち上げたり詰め込んだり、無理やり持ち上げることによっての損傷や弊害もあるかと思います。胸部の環境が悪く、損傷した組織の修復が間違ってなされてしまうと 腫瘍という形態が発生しする可能性もあり、これが、乳がんや乳腺繊維腫に移行してしまう可能性の一つではないかと 個人的には考えています。

個々の要因が沢山あるので個別に環境や希望の要因などのバランスをとることが非常に大切です。
一つ確実にいえるのは「胸部の動きは体全体に影響する」ということです。
簡単な所では 物理的に、腰部、仙骨部、頸部との影響は大きくあるといえるでしょう。
神経的にも内臓との関係を軽視することはできなくなってくるかと思います。
影響が大きくなると 体循環全体に影響が出ることも考えられますので
単に「下着はつけていればいい」というふうに考えることができなくなってきますね。

この観点からいうと 女性の方は特に
「体に合う下着を選ぶことは 全身への一番のご褒美」だと考えて頂きたいと思います。
ただ、ここで最も大切な事は 「すでに状態の良くないお体にあわせるのは適切ではない」ということです。
お体の全てにおいてですが 状態の悪い現状によいものを選んでしまうと根本的な解決を忘れてしまうという事に注意が必要です。人間の悪い癖なのですけれど・・・。

ですから、受診喚起をしたり予防をするということがとても大切になるのです。
これが、「お薬を自分で飲んでも良くならないときは、病院へ行きましょう」
「鍼灸・マッサージを併用しても 必要な事はきちんと受診・検査を受けましょう」と言われる要因です。
「今がよければそれでいい」ではなく、「今という状態に併せても無理はこないのだろうか?」
少し考え方を変えていただけると もっとよいかもしれません。
マッサージや鍼灸によって 「機能、構造、感覚を良い状態に戻しながら衣服を選ぶ」のも
一つの大切な選択肢になるのではないかなと 私は思っています。

東洋医学的に、「肺」というものがあります。
機能として 宣発(せんぱつ)と粛降(しゅくこう)といわれています。
お体の隅々に 栄養や酸素や水や力などを行き渡らせたり染みとおらせたり、
体の中と外のやり取りをつかさどったりする力を持つのが「肺」にあたります。
西洋医学的な「肺」の側面だけではないのですが とても大切な器官となります。
この部分の機能を落としてしまうことは 全身をいじめてしまう事につながります。
ですので ブラジャーは 実はとっても大切なのですね。

今回は、少し長くなったので 続きはまた 次回に・・・。