そろそろ、季節がかわるころです。
この時期は、体のつながりがいろいろと変わってくるのですが
それがうまくいかなかったり、余力がなかったり
新生活での新しい事に迷いや戸惑いがあって
精神的にどうしていいかわからなかったりすると
五月病や軽いうつ傾向に陥ったりします。
それと共に、生活リズムや食生活も荒れてしまい
状況が悪くなっていきます。
例えば、死にたいと思ってしまったり
どうせ自分なんかと感じてしまったり
踏み出したいけれどできなくて同じ失敗を繰り返したりなど
そんなアップダウンが出始めるのもこの時期です。
まあ、個人的にダークな事情があったので
そのあたりはすべて経験済みで乗り越えてきているので
今ではコントロールの仕方も知っているのですが
こういうときは、実は体が参っている事が多いんです。
そして、できるだけ早めに対処する事をお勧めします。
パニックや依存症、躁鬱、トラウマやフィードバックなど
すべてにおいて、実は東洋医学的に ある傾向が見られます。
すべて自分で実験済みですが
これら 精神的な変化の多くに鍼灸マッサージは非常に有効です。
もちろん、ただ単に鍼灸マッサージを受ければよいのではありません。
そのあたりは、個々の技術やスタイルの問題になりますが
少なくとも受けられる方の状態が悪いほど
職業として鍼灸マッサージをしているだけの術者では
対応できないであろうと思います。
西洋医学と違い、東洋医学を実践するには
数多くの人生経験が必要です。
また、その人生経験を術者本人が
自分で消化している事が大切になります。
それがきちんとできていれば東洋医学の内容を
自らの中に自然と取り入れられていることでしょう。
さて、ここで一つ興味深いお話をしましょうか。
皆さんは、「鍼をして性格が変わる」というとどう思われるでしょうか?
術者であっても 「そんな事があるはずがない」という人も沢山いると思います。
少なくとも、習ったからや記録にあるからといった形で
経穴を選んで使っている人には あまり経験がないかもしれません。
マッサージも、効く効かないなど効果のみを考えて
学校で習った通りを繰り返しているだけでは
なかなか目の当たりにする事がないかなと思います。
例えば、手技をしていると ある特定の反応が現れる事があります。
また、そのような時 不思議な事にご本人の意図した感情ではなく
表情が変わる事があります。
その時のお顔は なんというか楽しそうというか嬉しそうというか
満足げというか、やわらかいというか 不思議なお顔です。
そのような時には、お体の状態も変わります。
なんというかこなれたというかマッチングがうまくいった感じになります。
施術を受けられたことのある方はご経験があるかと思いますが
施術を受けているときは、比較的 物を考えたり軽眠します。
何か物を考えたり思い出したりしているのかと思い
何度かご本人に尋ねた事があるのですが 特にそういうものはないそうです。
おそらく、科学的にいうと そういう反応を示す回路に
変化が生じて反応がでたと考えられるかと思います。
この部分にふれる手技をするのは なかなか奥が深いのですが
おかげさまで道は広がりつつあります。
鍼では、如実に性格に変化を促す事ができます。
この変化は、ある意味危険を含むので コントロールに神経を使います。
普段の生活の中でもそうですが 自然な感情というものは常に変化しています。
また、その時の流れの中にいるご本人に検知できないものがほとんどです。
この検知のずれが トラブルや誤認知の元になっているケースが多々あります。
このケースは、思春期などには最も多く見受けられます。
人が時間の流れの中で、自らを意識する事がない状態を
心身の同一性といいますが、心身の同一性があってしまうからこそ
非常に神経を使うことのひとつとなります。
術者自身の様々なコントロールや受けられる方の耐性や受け入れ幅
環境や背景など多くの考察、計算をする能力が必要になります。
この技術は、諸刃の剣となりかねないので 結構な注意が必要です。
ですが、変化のコントロールを術者がうまく行う事ができれば
受けられる方に多くのメリットを与える事が可能です。
一つ気をつけなければ行けない事として これが術者が起こす刺激による
ご本人の持ち物でない劇的な変化であってはならないということです。
あくまでも、術者はご本人の中にあるものをコントロールする補助を行うのであり
術者が術におぼれて及ぼす変化は ご本人ではないものです。
この二つは、正直受けられた方ご自身には判別がしにくい物となります。
だからこそ、術者の人格や経験、モラルが 施術者には必要になると
私は考えています。
心ある施術者が療術をうまくを駆使すれば
よりメリットのある多くの事ができるという事を
術者を含めて 沢山の方に知っておいて欲しいなと思っています。
そして、劇的なおいしい何かではなく
ご本人の中の力を引き出して自然な流れを整えるという事が
できるような良い術者を皆さんには選んで頂きたいなと思っています。