季節と東洋医学

猪名川の菜の花です

猪名川の菜の花です

猪名川の菜の花

とても綺麗ですね

東洋医学には様々なものを関連付けた
五行色体表と言うものがあります。

例えば、季節を関連付けた五季。
春・夏・長夏・秋・冬の五つ。
長夏って何?と思いますよね。土用のことだそうです。
土用というのは、各季節ごとに移り変わる前の17日~19日の事だそうで
なんでも天文学的に平気法と定期法とかあるらしいです。難しいね。

まあ、それはさておいて
季節の他にもいろいろとあるわけなのですが
五行で五つの体の関連性を表すものとして
肝・心・脾・肺・腎というのがあります。

これは、先ほどの 春・夏・長夏・秋・冬とリンクしています。
春は肝。夏は心。長夏は脾。秋は肺。冬は腎となります。

まあ、諸説いろいろあるので
私の解釈に賛否両論あるでしょうが
単に本や知識ではなく 体の中にある感覚を長年分析した関係から
ざっとうわべだけ単純にご説明をするとして
春は、冬(一部の動物は冬眠しますよね)の間に受けた
寒さや栄養不足、日照不足などが原因でできた様々な体の不備不足、
余剰をこれからの代謝の高い時期に対応させる為
(子供を育んだり、食料をゲットしたり活動しますね)
体の中にある悪い物を消さなければいけません。

東洋医学で言う この五つを五臓(五つの臓器)というのですが
西洋医学的にも肝臓での代謝は大変大事になります。
熊などは、冬眠から目が覚めると まず沢に下りてふきのとうを食べると
昔のくま撃ちの童話や動物の文学書には良く書いてありました。
新芽にはこれから成長していく為の力があったりやわらかくて
冬眠から目覚めた胃腸には良い感じです。
栄養学的にも カリウムが豊富だったり、肝臓、腎臓、胃腸の機能を
高めてくれる成分があったりします。
実は、肝臓は消化にも関係あるのです。
東洋医学では、五腑というのもありまして肝といつもペアなのが
胆になります。
西洋医学的にも肝臓は胆汁を作り
胆汁は消化を助けていますので筋は通っていますよねー。
そして、肝臓で壊れた血液やコレステロールなどから作られた胆汁は
消化を助け、不要分は便として体から出されていきます。
つまり、体の余分なものが出されたわけです。
一種の解毒ともいえますね。

熊の食べるふきのとうは、肝よりも胆を養うと聞いた事があります。
冬眠でじっとして酷使された悪い血液を分解排出する機能を
強化してくれるのではないでしょうか。

今は、まさに春なのですが 今の時期にしっかりと
季節を感じさせる野菜を食べるのは
冬から春に変わる体のケアに
とても大事なことだと言えますね。

冬から春にかけて 季節限定で手に入れやすい物といえば
ふきのとう、たらの芽、うるい、春キャベツ、菜の花、桜、柏
自分で比較的取れるものには つくし、よもぎ、すかんぽ
他にもありますが 短期間しかでない物もありますね。
今は、栽培技術や多くの地域から空輸できる事もあって
季節を問わず手に入れられるものが多くありますが
それでも季節を感じながら食べる事は 体を切り替える大事な要素です。
また、桜の季節は花粉症もありますが 風という邪気が悪さをする時期です。
まあ、暑くなったり寒くなったりそれだけでも風邪引きそうなのに
暖かくなって汗はかくし埃も舞うし、
花粉や粉塵で粘膜はあれるしという事で
体調調節力が回復してないのに 余分なものが入りやすい
と思ってもらえればいいかと思います。
特に、体温調節がうまく行かない為に汗腺の開け閉めがうまくいかず
このあたりから風の邪気(風邪)は入ってきます。

風の邪気を風邪というのですが
(かぜではなくてふうじゃ。風邪もふうじゃの悪さのひとつです。)
わかりにくいので ひらがなでふうじゃと書きますが
ふうじゃをきちんと体に入れない、体から出しておく事を春のうちにしないと
一年中、いろんな悪さをされることになります。
日常でできる事として 季節の野菜を取る事は書きましたが
各行事には、その時の植物がついて回ります。
それにあわせて手に入れやすい
桜湯をのんでみる、よもぎ、柏を食べるなども
各植物に含まれる精油を取り入れる事になるので
体を切り替える一つの要素です。
ゴールデンウィークあたりは暑くなってくるので
この時には、1度しっかり汗をかいてください。
そうすれば、五月病にはならないで 夏の体にうまく切り替わります。
ですので、春に鍼灸で体調を整えるのは
自然の摂理を助ける事になるのでとてもよいと思います。
体が切り替わっているかどうかは、脈をみるとわかるんですよー。
そして、私はちょびっと忙しくてなかなかですが
春の夜に もやもやっとしてしまってなんだか眠れないという方は 
肝の力のバランスがうまく取れていないので
1度、お越しになられてみてはいかがでしょうか(^^)